フェムテックって一体なんだろう?
こんにちは!KAANE代表の伊澤ゆくです。
最近やたらとあちこちで聞く「フェムテック」という言葉、皆さんご存知ですか?
2021年には流行語大賞にノミネートされるくらい新語として取り上げられたそうです。
実は私、このフェムテックという言葉を知ったのはKAANEプロジェクトを始めて少し経った後でした。
「ショーツと一体型になっている夜用の布ナプキンを作りたい」となんとなく思い始めて、ポロッと夫に話したある日。
それは絶対にやった方がいいよ!と、夫自らプロジェクトマネジャーを請負うことをしてまで私をサポートしてくれた背後にはきっとこの「フェムテック」という言葉の存在も大きかったのではないかなぁと思います。
夫と一緒にプロジェクトを進める中でフェムテックという言葉に触れ、数々の展示会でも取り上げられているのを目の当たりにし、これはひとつのムーブメントが起こされようとしているんだ、とようやく知ったのでした。
フェムテックってどういうこと?
フェムテックとはFemale(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけ合わせた造語で女性の健康課題や不安をテクノロジーで解決に導くサービスや商品のことを指すそうです。
例えばどんなサービスがあげられるかというと、
生理周期や排卵日を管理するアプリ、基礎体温の計測と管理をまとめてしてくれる体温計などが身近ですよね。
その他どんなものがあるのかな、とフェムテックを掲げた展示会などに足を運んでみると色々なサービスや商品が。
不妊治療に関するもの、生理の悩みを軽減させるもの、女性向けのセックストイなど多岐に渡るアイテムを目の前にした時にちょっとした疑問が生まれてしまいました。
フェムテックって私たちの生活において具体的にどんなメリットをもたらすんだろう?
ちょっとだけ斜に構えてしまった私がいたんですよね。(苦笑)
フェムテックを実感している女性は少ない?
この言葉を知ってから、身近な友人にヒアリングしてみるとフェムテックという言葉を聞いたことがある、という女性はかなり少ない印象でした。
そこで私が感じたのは、フェムテックってまだまだ提供する側が一生懸命取り組んでいる段階なんだなということ。
それもそのはず、KAANEの開発を進めるうちに例えば生理において、私たちが気づかないうちに解決を諦めていたこと、そして諦めているという意識すらないことが沢山あったからなんです。
生理は毎月やってくる。
生理は病気ではない。
女性にとって超当たり前の日常になってしまっている(年齢を重ねれば尚更)ことの課題ってなかなか見つかりづらかったりするんですね。
そんな中「解決しますよ!」と言われても何を解決してもらいたいんだろう私は?という疑問が払拭できず、ちょっと私は身構えちゃったんだと思います。
フェムテックは言語化への大切な架け橋
例えば生理の悩み。
気づかないうちに解決を諦めていたり、意識すらしなければ口に出して説明することもない。
これは今も私たちの会議ではよくあることですが、声に出さなくても女性なら「うんうん」とわかる生理にまつわる不快や悩みなどのあるある事情を男性に説明する時の大変さといったら!かなり痺れます。
全然伝わらないのは、言語化する機会がなかったからなんだろうなと毎回痛感しています。
しかしこれがフェムテックという言葉の台頭によって大きく変わろうとしているのかもしれません。
つまりは声を持ってあげる、という機会になり得るのではないか、という期待が持てるということです。
ここ数年だけ見てもフェムテックの振興を目指す「フェムテック振興議員連盟」の発足や、女性のヘルスケアをすることが結果として会社や経済への貢献になると考える男性が沢山現れたり、すべてはフェムテックというムーブメントが引率してきてくれている流れにも見えるんです。
男性は、企業は、政府は、私たち女性が「ここをなんとかしたいの!」という秘めた情報を(秘めてるつもりはないんですけどね)心から求めているように思えます。
言語化されれば実現される
私たちにできるのは「言語化する」ということではないでしょうか。
最初は明確でなくてもいい、しっかり言葉にしなくてもいい、声をあげさえしなくてもいいかもしれません。
解決を諦めて忘れてしまっていた小さな悩みや希望を思い出してみるだけでもいいのかもしれません。
フェムテックというマーケットが期待されていることは私たちにとってかなりの追い風になっていると思います。
沢山のお金が使われたり、もっと使ってもいいよ、という雰囲気になっているということは、今までにはなかったデータが取れるということにも直結します。
今まで、病気ではないという理由もあり研究が進んでいなかった分野。
だからこそ体のしくみの中でも情報が圧倒的に少なかったんですよね。
人生100年時代と言われ、出産回数が少なくなり、生涯生理回数も過去最多の私たちは実はパイオニアなのかもしれません。
フェムテックの恩恵を待つことも大事ですが、このムーブメントがより私たちの日常にメリットをもたらし、次世代への貢献につながるかというのは、もしかしたら私たち一人一人の意識改革がかなり影響をもたらすのかもしれません。
KAANEとして、女性を39年間やってきた私個人としても、この話題でみなさんとどんどんディスカッションしていきたいと願っています。
最後まで読んでくださりありがとうございました♡
夜用布ナプキンショーツKAANE代表 伊澤ゆく
参考文献:
細川モモ(2021)『生理で知っておくべきこと』佐藤雄一,奈良岡佑南 監修 日経BP
北奈央子(2022)『女性がイキイキと働き続けるためのヘルスリテラシー』セルバ出版