「オーガニックコットン」について超解説!

こんにちは!KAANE代表の伊澤ゆくです。
KAANEのショーツで使われるコットンは全てオーガニックコットン100%にこだわろうと決めています。

今でこそ、KAANEのブランディングで絶対に外せない条件ですが、最初からオーガニックコットンでいこうと決めていたわけではないんです。

生理期間中に使うショーツだし布ナプキンだから自然由来のコットンの方がいいな、となんとなくはじまり、コットン100%であればいいのかなと考えていました。
デリケートな部分に触れるものだから、オーガニックコットンの方が喜ぶ人は多いのかもしれない、と最初はこんなものでした。

この記事では、オーガニックコットンに興味を持っていなかった私がその魅力を知り、とことんハマっていく過程をお伝えします。
そんな中でオーガニックコットンの素晴らしさを知り、私と同じくファンになってくださる方が一人でもいらっしゃったら本望です!

オーガニックコットンってなに?

オーガニックコットンとは各国の有機農業基準をクリアした農産物のこと。

オーガニックや有機栽培という言葉自体は最近少しずつ耳にすることが増えた気がしますが一体なんだろう?と思っている方は多いはず。
私もその一人でした。
なんとなく体によさそう?環境にも配慮しているのかな??
ハテナマークがいっぱいでした。

わかりやすくするために、ものすごくシンプルにいうと農薬や化学肥料を使ってない土で、農薬や化学肥料を使わずに育てられた綿花とイメージするとわかりやすいと思います。

綿って植物の時にはこんな感じです!

これを糸にして、その糸を織って布にしたものをTシャツにしたり、タオルにしたり。
オーガニックに限らずですが、今着ているコットン製のお洋服たちも元を辿ればこの状態から加工されてできているんですよね。

なにがいいの?

農薬や化学肥料を使っていないのはわかったけど、結局どういいのだろう?と思いますよね。
農薬なんてそりゃ使ってない方がいい気がするけど今すぐ体に何か影響出ている感じもしないしなぁ、と。

正直私自身もオーガニックコットンだろうがそうでなかろうが、体への影響の違いをあまり体感できずにいました。

しかしながらKAANEの製品はショーツ!
デリケートな時期にデリケートな部分に触れるものだからこそオーガニックコットンはより安心を手に入れられそうです。

実際届いたサンプルのショーツをモニターとして試用してくださる方たちにお送りすると「肌触り最高!」と第一声をいただけることが多いように、使う人にとっては安心・心地よいと感じられる良さがあることを実感しました。

でもKAANEがオーガニックコットンにこだわりたい理由はそれだけじゃないんです!

オーガニックコットンがもたらす利点

私がオーガニックに触れることになったきっかけは、子どもの食育のために安全な食材の選び方や見極め方をしっかり学びたいと思ったことです。
そこで、本や講座などを通じて色々と学ぶことができました。

最初は、自分や自分の家族の健康のために、と考えて始めた勉強でしたが、抽象度を上げてみてみると自分と家族という小さい単位の問題ではないのだ、と気づかされることになりました。
生産者の存在に改めてはっとさせられたのです。

農薬ってひとことで言っても、色々ありそうです。
農業素人の私でもきっと害虫の繁殖を抑えるための殺虫剤も使うだろうなと想像ができます。
ここでちょっと嫌な例え話になっちゃうんですが、家に例の黒い虫さんが出たとします。
大体の人は殺虫剤のスプレーを降りかけるのではないでしょうか?

あれってもろに吸い込むと咳き込んだり、喉が痛くなったり・・・何日も喉の不調をひきづってる友人もいました。
ましてや子どもには絶対吸い込ませたくないですよね。

農家さんも同じじゃないかって思うんです。
体を守るための防護服や設備は整っているかもしれません、少なくとも家庭よりは。

ただコットンの栽培について調べていくと、ものすごい量の殺虫剤をはじめとした農薬が使われていることがわかりました。
その量、なんと世界で使用される殺虫剤の約16%とも言われているそうです。
しかも綿花畑は世界の耕作地のたった2.5%。ものすごい小さなエリアに大量の薬が使われていることがわかります。
健康被害や労働搾取などのニュースを目にした方もいるかもしれないですが、世界的にももはやなかったことにはできない、というようなフェーズに感じています。

なんでこんなにまで農薬を使わないといけなくなったのかというところもまた別で一記事書けそうなのでまたの機会にしますが、効率よく安く素材を作るためだそうです。
なんでこんなに服が安く買えるようになったんでしょう?

日本の綿自給率は2022年現在0%で100%輸入に頼っている状況です。
海の向こうで誰かが作ってくれているコットン。
その誰かにも家族があり、生活があり、自然がある。
その人たちに、地球に、無理のある仕組みってどうなんだろう?
それを続けてもらって私たちはいいんだろうか?
本当に関係ないのかな?
自分だけよければいいの?

オーガニックコットンは自分や家族を守るだけでなく、他の家族の健康や地球環境を守ることにもつながるのだと知りました。

オーガニックコットンの課題

国産のコットンがないと先述しましたが、同じく現在の日本ではコットンに関するオーガニックの選定基準がありません。
これは消費者にとっては注意が必要なんです。
なぜなら法規制がされていないってことは、オーガニックコットンが3%しか含まれていなかったとしても「オーガニックコットン製品」として販売できてしまうというなんともグレーゾーンがまかり通っている状況だから。

さらにオーガニックかどうかは見た目では判断できません。
作る過程でオーガニックとそうでないものを分けて加工するのですが、途中で混ざってしまっても消費者は気付くことができない。
ここではトレーサビリティがいかに信頼できるか、ということになってきますが、日本ではその基準がありませんので国際基準で認証を受けているものを頼りにするしかなさそうです。

日本が今後もっとオーガニックに可能性を見出して、目を向ければもっと消費者が手に取りやすくわかりやすいルールが作り出されると期待しています。

ブランドとしてできること

オーガニックコットンは人々の健康被害や労働搾取、はたまた地球を救うかもしれない、と理解できたとしても、今すぐ私たちの生活を変えることは困難だと思います。

子どもの肌着がなくなればいつものプチプラのお店で買うルーチンはできているし、オーガニックコットンのものだけを身の回りに置こうとしたら一番大切な自らの家庭の経済が破綻してしまいます!これでは本末転倒です。

私個人はというと少しずつ身の回りのアイテムの見直しを意識する、に止まっていますし、オーガニックコットン製のものの方が圧倒的に少ないのが現実です。

ただし、KAANEは小さくてもひとつのブランド
ここでオーガニックコットンをチョイスしなかったら手にとってくださる方もオーガニックコットンを手に入れることができないのだと気づきました。
KAANEを選んでくださった方には必然的かつ自動的にオーガニックコットンに触れていただける流れを作るために、まずはブランドが意識をする必要があるんだと感じています。

まとめ

KAANEをプロダクト化する中で、本当にたくさんの方のお話を聞いています。
そんな中で、オーガニックコットンにしたら生理痛が緩和されたとか、敏感肌でも使えたなどたくさんの体験談に出会うことができたんです。

私自身はあまり実感はできなかったけど、オーガニックコットンですでに救われている人がいるんだ、必要とされているんだ!とその方達の顔を思い出しながら今この記事を書いています。

私だってこんな偉そうなことを言っていても、気づけばどんどんオーガニックコットンでないものが増えていきます。
それは例えばノベルティのタオルだったり、その場しのぎで買うしかなかった子どもの服だったり。あげればキリがないです。本当にどんどん増える。

おそらく皆さんだって同じはず。
でも罪悪感を持つ必要は全くないんです。
そういう仕組みが出来上がってしまっている社会で暮らしているのだから仕方がないんです。

もしこの記事を読んだ皆さんが次に手にとった商品をレジに持っていくまでに、ほんの一瞬でも生産者のことを思い出してくださったなら成功です!そう、今のところは。

だからこそKAANEはオーガニックコットンにこだわろうと決めています。
まずはそれが私にとって始められる大きな一歩だと思うから。

最後まで読んでくださりありがとうございました♡

夜用布ナプキンショーツKAANE代表 伊澤ゆく

参考文献:
葛西龍也(2021)『セルフ・デベロップメント・ゴールズ SDGs時代のしあわせコットン物語』双葉社
宮崎道男(2010)『オーガニックコットン物語』コモンズ
仲村和代, 藤田さつき(2019)『大量廃棄社会 アパレルとコンビニの不都合な真実』光文社新書
日本オーガニックコットン協会"どうしてオーガニックコットン"https://joca.gr.jp/main/why-organic-cotton/(2022/5/17)